犬にとってどうか、が
暮らしを選ぶ基準になった。
家具も、植物も、旅行先も。
「犬にとって安全で、幸せか」から、毎日の食事まで続いています。
こてぶんパパ
こてつ9才、文太3才。2頭のボストンテリアと暮らす、こてぶんパパ。犬たちとの毎日の中で、暮らしのものを選ぶことも、食事を考えることも、ごく自然な日常の一部になっています。
At the Heart
自分の好みだけでは、
物を選べなくなった。
犬を飼っていると、自分の好みだけで物を選べなくなることがよくあります。「犬にとって安全で、幸せか」。その問いが、いつの間にか暮らしの判断基準になっていました。制約が増えたというより、明確な基準があることで、かえって迷いが減り、納得感を持って物事を選べるようになったのです。そしてその考え方は、家具や道具の選択だけでなく、毎日の食事を考えることにもつながっています。
家具も、植物も、旅行も。
基準はいつも同じ。
例えば家具。我が家には鉄製の脚がついたものが多いのですが、これはデザインの好み以上に、安全面を優先してのことです。犬が本気で遊んでいる時のパワーは想像以上で、かじられて傷んだ木製の脚が、いつか何かの拍子に折れて家具が倒れたりしたら——という「もしも」を考えると、自然と頑丈な素材に手が伸びます。観葉植物も、まずは犬にとって毒性がないかを調べ、そのうえで手が届かない高い位置に置くのが基本です。旅行先も、「犬と一緒に過ごせること」が第一条件。一見すると不自由に見えるかもしれませんが、明確な基準があることで、かえって迷いが減りました。
食べることが大好きな姿が、
きっかけになった。
最初から特別な志があったわけではありません。初めて家族に迎えた犬が、とにかく食べることが大好きで、何でも美味しそうに食べてくれました。その姿を見ているうちに、「せっかくなら私が作ったものを食べさせてあげたい」と自然に思うようになったのが、手作りのはじまりです。
無理をしない形へ。
続けるための、いまの食事。
以前は朝晩すべて手作りしていた時期もありましたが、今は時間の使い方も考えて、ドライフードに手作りのトッピングを乗せるスタイルに落ち着いています。無理をして自分が疲れてしまわない、持続可能な「今の形」です。ボウルの中身は、なるべく賑やかにしたいと思っています。鶏、馬、鹿、ラム、魚などタンパク源が偏らないように意識したり、野菜やキノコ、海藻類も取り入れたり。色々な食材から栄養を摂ってほしいし、何より、色々な味を楽しんでほしいからです。米国の栄養基準である「AAFCO」の数値を参考に栄養計算をしてみたり、東洋医学の考え方を取り入れて「今は身体を温める食材がいいかな」と頭を捻ったりする時間は、言葉を交わせない彼らとの大切な対話でもあります。難しいことを研究しているというより、「この子達の体について深く考える」習慣そのものを楽しんでいるのかもしれません。
正解より、
目の前の犬を見る。
そんな生活を続けて、兄のこてつは今年で9歳になりました。劇的に何かが変わったわけではありませんが、毎年の健康診断で「異常なし」と言われるたびに、心底ほっとします。大きな病気をせず、元気に毎日を過ごしてくれている。この「当たり前」の健康を維持できていることが、何より嬉しい手応えです。何が一番の正解かは、きっとその子によって違うのだと思います。だからこそ、教科書通りの答えに満足するのではなく、目の前の子をよく観察して、調べたり考えたりすることを、これからもやめないつもりです。いつか訪れる、最期の時まで。「今日の晩ごはん、美味しかった?」と問いかけながら、日々の試行錯誤を大切に積み重ねていきたいと思っています。
EDITOR'S NOTE
「犬にとってどうか」は、食事だけの話ではありません。家具や植物、旅の行き先まで、暮らしの選択につながっています。
正解を一つに決めるのではなく、目の前の犬を見ながら、その都度考え、選んでいく。
そんな日々の積み重ねが、こてつと文太との暮らしをつくっています。