それが、
すべての始まりでした。
最初にその犬を見たとき、同じシュナウザーとは思えませんでした。立ち方や毛並み、佇まい。ただそこにいるだけで伝わってくる何か。言葉にできない“違い”を、はっきりと感じたのを覚えています。
STORIES
FROM THE FIELD
一頭のシュナウザーが、
すべての始まりだった。
それ以来、意識して犬を見るようになりました。ブリーダーによって、なぜここまで違いが出るのか。何がそうさせているのか。見ていく中で、ある共通点に気づきました。単犬種に絞り、専門的に向き合うブリーダーの在り方と、流行りを追いかけながら複数の犬種を扱うブリーダーとでは、犬の質そのものに明らかな違いがあるということ。
その違いを目の当たりにしたとき、私の使命がはっきりと見えました。大切なのは、「先天性の疾患が無い、心が豊かな命を残していくこと」。繁殖という言葉では表しきれない、命に向き合う仕事だと感じました。
それでも、一度
この世界から離れた。
しかしその一方で、この業界の裏側も数多く見てきました。劣悪な環境での飼育や、効率だけを優先した繁殖。健康や心に配慮のない現場も少なくありません。ドッグショーの世界においても、近親交配が繰り返されている現実があります。犬のためではないビジネス。そう感じる場面も多くありました。
悔しい思いも、無力さも、何度も味わいました。その中で、心が折れてしまった時期もあります。そして一度、この業界から身を引きました。それでも、完全に離れることはできませんでした。
もう一度、一から
向き合ってみよう。
あるとき、ふと思い出した人がいます。犬のブリーディングが健康や心にどれだけ深く関わるのかを、本気で教えてくれた方でした。良い部分も悪い部分も、すべてが遺伝していくこと。そして日本では、犬の体や心を無視したブリーディングが当たり前のように行われている現実があること。その言葉が、ずっと残っていました。
もう一度やってみよう。一から向き合ってみよう。そう思い、この世界に戻ってきました。最初は、長くブリーダー業を続けてきた現場で、基本的なことを一つずつ学ばせてもらいました。
理想とする子犬は、
偶然では生まれない。
そして今は、自分の犬を増やしながら、独立に向けて準備を進めているところです。何を大切にしているのか。第一は、生まれてくる犬の健康です。それがすべての土台になります。その上で、スタンダードが求めるサイズや骨格、性格。さらに、それらを支える血統の継承。すべては繋がっています。だからこそ、親犬の状態には妥協しません。心身ともに健康であること、そして日々の食事。どこから来た命かで、どこへ向かう命かが決まると考えています。
理想とする子犬は、偶然では生まれません。積み重ねてきた選択の先にしか現れないものです。これまでの出会いや経験が、今の考え方をつくっています。だからこそ、その一つ一つを軽く扱うことはできません。
生まれてくる子犬が新しい家族と出会い、その時間をともに積み重ねていく。その過程を、遠くからではなく、同じ時間の中で見守っていきたい。それが、この仕事を続けている理由です。私は、まだ準備をしている途中です。
Startup Costs
開業初期費用
私は、まだ準備をしている途中です。ブリーダーとトリミングサロンを併設した、小さなお店を開きたいと思っています。スタッフ1人と一緒に、無理のないかたちで、ゆっくりと続けていけたらと考えています。店内には、いつもの常連さんがふらっと立ち寄って、自然と会話が生まれる。犬たちも、人も、どこかほっとできるような、そんなあたたかい場所が理想です。
- 敷金・礼金・保証金50万円
- 家賃(20坪)15万円
- 内装・設備費200万円
- 在庫仕入れ10万円
- 広告・販促費15万円
- その他10万円
開業総額
300万円
Information
店舗情報
- 店 名
- K9.Yoshida
- 事業内容
- トリミング・ブリーディング
- 責任者
- 吉田 優
- 住 所
- 長崎市